ヨーロッパでは主流のLCC、ヨーロッパ旅行前に知りたい事情とは
アジア各地で台頭するAIR ASIAや日本でもPeach Aviationがその存在感を示すなど、日本でもLCCは航空会社を選ぶ際に当たり前の選択肢のひとつとなりつつあります。
もちろん日本やアジアだけでなく世界中で台頭してきており、ヨーロッパも例外ではありません。
では実際に事情はどうなっているのでしょうか。
基礎知識と歴史について知っておこう
まず基礎知識として、日本ではLCC(Low cost carrier)との名称が一般的ですが、ヨーロッパでは"Low cost airline”や"No-frills airline”、"Budget airline”などと様々な呼称で呼ばれています。
ヨーロッパにおけるLCCの台頭は日本よりもはるかに早く、1990年代には始まっています。
イギリス人が南欧へ旅行する需要に目を付けて、ライアンエアなどがヨーロッパでのLCCの始まりです。
その後もイギリスでは激しいLCC同士の競争が起こるのですが、大陸では2000年代まではほとんど存在していませんでした。
2000年代には規制が緩らぎ始まり、それを受けてライアンエアやイージージェットが路線を拡大、各国でも次々と設立されて本格的なブームとなりました。
しかしその後は増えに増えた企業も、紆余曲折があり経営破綻や合併を余儀なくされた所が多数でなかなか安定した状態とはなりませんでした。
そのため現在ではライアンエアとイージージェットがその良好な財務体質で実質「2強」となり、各地のLCCは手堅いビジネスに注力しているのが現状です。
また大手航空会社が自らLCCを設立し、短距離路線は丸ごと移管するような例も増加しています。
利用する際に気を付けることとは
このような経緯もあり、財務体質が脆弱なところだと突然倒産するということも実は珍しくありません。
実際に急に倒産して利用ができなくなり欧州内でも大変な騒ぎになったこともあるため、利用の際にはそのようなこともあると留意しておいたほうがいいでしょう。
そしてヨーロッパのLCCはライアンエアを筆頭に、コスト削減のため有名な空港をつかうのではなく小さな郊外の空港をつかうことが多いです。
安いからそれも仕方がないとは思いますが、場合によってはとんでもなく遠いこともあり、ドイツの空港は特に有名で、首都から約130kmほども離れた立地となっています。日本で例えると東京から富士山くらいの距離になりますので、静岡空港を東京空港と呼んでいるようなものです。
このようにSecondary Airportは日本における距離感のそれよりもより遠いことがほとんどのため覚悟しておくことが必要です。
さいごに
ヨーロッパのLCCはこのような歴史と事情があることをまず頭に入れておくといいでしょう。